第4回公務員共済年金財政単位一元化研究会議事要旨

1 日時

平成14年11月25日(月)午後2時01分~午後3時18分

2 場所

財務省国際会議室(財務省4階)

3 出席者(敬称略)

座長 西尾 勝 (国際基督教大学教授)
渡辺 俊介 (日本経済新聞社論説委員)
森 繁一 (地方公務員共済組合連合会理事長)
北岡 勝征 (全日本自治団体労働組合中央執行委員長)
寺村 信行 (国家公務員共済組合連合会理事長)
丸山 建藏 (国家公務員労働組合総連合会委員長)
荒木 慶司 (総務省自治行政局公務員部長)
杉本 和行 (財務省主計局次長)

4 議事概要

(1) 議題について

本日の研究会は、「社会保障審議会年金部会での議論の状況」、「地共済関係者の意見聴取の結果」等について、厚生労働省及び事務局からの説明及び質疑等を行うこととされた。

(2) 厚生労働省から「社会保障審議会年金部会での議論の状況」について説明

特段の質疑なし。

(3) 事務局(総務省)から「地共済関係者の意見聴取の結果」について説明

(内容)

  • 財政単位の一元化によって地共済の給付水準が低下することのないようにすること。
  • 保険料率の算定にあたっては、組合員の負担に配慮し、抑制に努めること。
  • 保険料率を一本化する場合は、段階的に行うこと。
  • 保険料率の一本化はできるだけ長期にわたってなだらかにすることが適当ではないか。
  • 財政単位の一元化によって保険料の増額がないようにすること。
  • 単年度収支の補填については、資金収支の状況等を的確に把握した上で、なお制度設計全体の中で検討する必要がある。
  • 財政単位の一元化によって、仮に新たな財政調整の費用が必要となる場合には、その費用は地共済連合会における積立金から支出すること。
  • 財政単位の一元化に際し財政調整を行うこととなった場合は、地共済の単位共済組合に新たな費用負担を求めないこと

特段の質疑なし。

(4) 事務局から、これまでの議論において方向性が絞られてきているとの認識から、これまでの論点をまとめ、今後の保険者等において具体的な検討のための「たたき台」を提示して欲しい旨の申出があり、「たたき台」を作成することとされた。

事務局(財務省)から、「たたき台(案)」の内容の説明のほか、

1) 「たたき台」の位置付けとして、今後、保険者等において具体的なシュミレーションを行い、問題点の検証を行うためのものであり、最終的成案ではなく、検証結果によって見直しもありうるものであること。

2) 保険料の一本化の具体的な時期について提案をいただきたいこと。

の説明があった。

また、費用負担の平準化を図るための財政調整で独自給付費用率を用いる考え方についても併せて説明があった。

  • 独自給付費用率を用いることの考え方

    費用負担の平準化を図るための財政調整は、国共済と地共済の成熟の度合いの相違によって生じる両制度の給付費用の負担の格差について平準化を図るものである。

    基礎年金拠出金は、両制度の成熟の度合いを調整するものとは異質なものであることから、基礎年金を除いた指標である独自給付費用に着目した財政調整を行うこととするものである。

保険料一本化の時期については、委員から、

  • 平成13年3月16日に閣議決定した「公的年金制度の一元化の推進について」では、「国家公務員共済組合及び地方公務員共済組合については、ともに公務員という職域に適用される年金制度であることから、両制度の財政単位一元化を図る。このため、速やかに具体的な枠組みについて検討を進め、次期再計算はこの財政単位の一元化を前提として実施する。」とされており、速やかに財政単位の一元化を公務員制度グループで図るようにとの趣旨であった。こうしたことから、平成16年の次期再計算で保険料率も一本化することが筋だと思うが、地方公務員共済組合の保険料率の引き上げ幅が相当大きくなるという観点から、せめて、平成21年の次々財政再計算までには一本化するといったことが、閣議決定の趣旨、世間の理解を得られる範囲であるのではないかと受け止めている。
  • 地方公務員共済組合の場合には、保険料率が上がる。国家公務員共済組合の場合には、単年度収支において赤字が出るなどといった問題がある。これらの点について、組合員、加入者にどのように理解を得ていくのかということが大切である。こうしたことからも、平成21年までに、平成16年の次期財政再計算の時期から段階的に一本化していく方向がよいのではないかと思っている。

という意見があった。

これを踏まえ、「たたき台(案)」を修正のうえ、「たたき台」(別添参照)がとりまとめられた。

(5) 次回開催について

次回は、議題として、「たたき台」の検証結果についての報告を行うこととし、開催時期については、来年3月頃を目途とすることとされた。

以上

(別添資料)

国共済と地共済の長期給付に係る財政単位の一元化について(たたき台)

1 背景

公的年金制度の一元化に関する懇談会の報告を受け、平成13年3月16日に閣議決定された「公的年金制度の一元化の推進について」では、「国家公務員共済組合及び地方公務員共済組合については、ともに公務員という職域に適用される年金制度であることから、両制度の財政単位の一元化を図る。このため、速やかに具体的な枠組みについて検討を進め、次期財政再計算はこの財政単位の一元化を前提として実施する。」とされている。

これを受けて、公務員共済年金制度財政単位一元化研究会では、平成13年10月から国共済と地共済との間の財政調整の仕組み及び国共済と地共済の保険料率の一本化の時期について検討を行い、今後の議論のたたき台となる案を作成した。

2 基本的考え方

ここでいう「財政単位の一元化」とは、複数の年金制度の財政単位を一体のものとして捉え、これを計算の基礎として年金財政を運営していくことであるが、国共済・地共済の間においては、財政単位の拡大及び共通部分についての費用負担の平準化を図ることを目的とし、組織、制度として独立したままで、両制度間で財政調整を行うとともに、最終的に保険料率を一本にすることとする。

その際、国共済・地共済それぞれが年金給付に支障を来すことのない仕組みを作ることは当然であるが、それは、公務員という職域に適用される共済年金制度を全体で支え合う仕組みとすることを基本的な考え方とする。

なお、現在、社会保障審議会年金部会では、次期財政再計算に向けて、年金財政方式、給付設計を含む公的年金制度の見直しが検討されているが、このたたき台は、現行の制度設計を前提としたものであり、公的年金制度の見直しの内容等によっては、改めて検討する必要がある。

3 保険料率の一本化

(1) 一本化保険料率の算定方法

財政単位の一元化という趣旨にかんがみ、財政再計算において、国共済と地共済の給付額及び標準報酬総額をそれぞれ合算し、全体として一本の保険料率を算定する。

一本化保険料率の算定にあたっては、地共済において財源率として含まれている公務上の障害共済年金等については除いて算定する。

なお、財政再計算については、国共済、地共済それぞれで行うこととするが、相互にその結果を検証することとし、保険料率は、従前どおり国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会の定款で規定する。

(2) 保険料率の一本化の時期

公的年金制度の一元化に関する懇談会の議論を踏まえ、保険料率の一本化は速やかに実施することが望ましいが、地共済の保険料率は保険料率の一本化により平成11年財政再計算で見込まれている保険料率よりも将来的な引上げ幅が大きくなると見込まれることから、激変緩和のため、平成16年から2段階で実施することとし、平成21年に保険料率を一本化する。

4 財政調整の仕組み

(1) 財政調整の範囲

国共済と地共済については、ともに公務員という職域に適用される年金制度であり、給付設計もほぼ同一であることから、財政調整の範囲は、職域部分を含む長期給付全体とする。なお、公費負担で賄われている公務上の障害共済年金等については除くこととする。

(2) 費用負担の平準化のための財政調整

成熟の度合いが違うことにより異なってくる国共済と地共済の費用負担を平準化するため、基礎年金部分を除いた指標である独自給付費用に着目して行う。

具体的には、独自給付費用率が実質的に同一となるよう、独自給付費用率の低い制度から高い制度に対して資金を拠出する。

注:独自給付費用とは、ある年度の実質的な支出のうち、保険料拠出によって賄う部分(国庫・公経済負担を除いたもの)から基礎年金拠出金を控除したものである。したがって、長期給付費用全体からは、追加費用相当額、基礎年金交付金相当額、基礎年金拠出金(このうちの1/3は公経済負担)が除かれている。独自給付費用が当該年度の標準報酬総額に占める割合を独自給付費用率という。

(3) 年金給付に支障を来さないための財政調整

国共済・地共済が組織、制度として独立したままで両制度の年金給付に支障を来すことのないよう、給付財源を枯渇させない仕組みを検討する必要がある。

この場合、保険料率を一本化することにより、仮にこの財政調整による資金の交付・拠出に当面偏りが生じることがあったとしても、将来にわたって公務員全体としての制度の安定化を図るために必要であることに留意すべきである。

また、地共済内部の財政調整の仕組みとも関連することについて留意する必要がある。

(4) 財政調整の方法

平成16年の次期財政再計算による保険料率の改定時以降、新たな組織を設けずに国共済・地共済の間で毎年度資金を交付又は拠出するものとし、毎年度の交付・拠出額については、5年単位で平均化するなどの方法について引き続き検討する。