第4回地方公務員共済年金制度に関する懇談会議事要旨

1 日時

平成16年3月11日(木) 午前10時30分~12時00分

2 場所

ルポール麹町2階 ルビーの間

3 出席者(五十音順、敬称略)

座長代理 森 繁一 (地方公務員共済組合連合会理事長)
川村 仁弘 (立教大学教授)
君島 一宇 (全日本自治団体労働組合書記長)
工藤 智規 (公立学校共済組合理事長)
駒村 康平 (東洋大学助教授)
永瀬 伸子 (お茶の水女子大学助教授)
中村 譲 (日本教職員組合書記長)
松﨑 彬彦 (警察共済組合常務理事)
山﨑 泰彦 (神奈川県立保健福祉大学教授)
渡辺 俊介 (日本経済新聞社論説委員)

4 議事概要

(1)開会

(2)出欠の報告

事務局から、高山座長欠席に伴い、森座長代理が議事進行を行うこととし、関口委員の代理として松﨑警察共済組合常務理事が出席することについて報告があった。

(3)第3回懇談会以降の年金制度改革に関する動向について

事務局から、昨年12月及び本年2月の与党合意を踏まえ2月10日に国年法・厚年法の改正案が国会に提出されたこと、その後2月20日に国共済法の改正案及び私学共済法の改正案が、さらに3月9日に地共済法の改正案が国会に提出されたことについて説明があった。

(4)地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案について

事務局から、「地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案」は、厚生年金制度の改正に準じた年金制度改革関連の改正、国共済年金との財政単位の一元化及び市町村の共済組合の年金給付事業の一元的処理の3本柱であることについて説明があった。

また、地共済年金と厚生年金の改正の主な相違点について説明があった。

これについて、大要次のような質問、意見が出された。
(←はそれに対する回答)

1) 今回の政府案は、現行では財源措置がされていない過去の債務を結果として保険料の引上げで後世に負担を求めていくという中身になっているのではないか。
← 保険料の取り方には、平準保険料方式と段階保険料方式があるが、厚生年金も共済年金も、賦課制度のもと段階保険料方式をとっている以上、将来の保険料の引上げで賄う部分があることも致し方ないと考えている。

2) マクロ経済スライドについて、経済の状況にかかわりなく、一定期間、給付水準を抑制あるいは下げるという機能を有していると考えるが、既裁定者は新規裁定者よりさらに給付水準が下げられるのではないか。

また、そうだとした場合、公的年金そのものの意義を喪失させることになるのではないか。
← 厚生労働省の資料によると、マクロ経済スライドによる調整を行った場合の新規裁定者の年金については、所得代替率は下がるが、年金の実質価値はあまり下がらないという説明がなされている。

一方で、既裁定者の年金については、物価に対し実質価値が下がることとなるが、65歳以上の高齢者の消費支出は加齢とともに下がるということも考慮に入れているのではないか。

3) 厚生労働省は調整率という数字を出しているが、これは再評価率に調整率を乗じるということでよいのか。
← 各年の給料に賃金スライドとして再評価率を乗じ、さらに調整期間については調整率を乗じることとしている。

4) 過去の期間の再評価率も調整をするのか。
← 過去の給料の価値を平成16年価格とするための再評価率を法律上規定し、平成17年以降はその再評価率を新規裁定者は賃金の伸びで改定し、既裁定者は物価の伸びで改定することとしており、調整期間についてはその改定後の率に調整率を乗じることとなる。

(5)平成16年度財政再計算の考え方(案)について

事務局から「平成16年度財政再計算の考え方(素案)」について、厚生年金のマクロ経済スライドによる給付の自動調整を適用すること、地共済と国共済の保険料率は段階的に一本化し、平成21年に同一の率にすること、有限均衡方式により積立金を活用すること等について説明があった。

これについて、大要次のような質問、意見が出された。
(←はそれに対する回答)

1) 今回の財政再計算は国・地方の公務員を合わせた公務員共済の再計算と考えているが、今後、財政再計算の考え方について財務省、国家公務員共済側との整合性を図る必要があるのではないか。
← 今後財務省とも調整させていただきたいと考えている。

2) なぜ共済年金は厚生年金の給付設計に合わせることとしたのか。
← マクロ経済スライドの調整率を公務員共済で独自に計算すると厚生年金と給付水準が変わってくる可能性があるが、昭和60年改正以降いわゆる2階部分までの給付設計は厚生年金と基本的に同じとなっていることを踏まえ、給付を厚生年金に合わせるのが適切ではないかという考え方によるものである。

3) 厚生年金の有限均衡方式では、積立金、保険料等の収入とマクロ経済スライドによって圧縮された債務との関係では、95年間で1年分の積立金を残して給付を調整することになると考えるが、同じような考え方で地共済年金の積立度合を示すことはできないか。
← 厚生年金では保険料水準固定方式としたことから保険料収入の総額は固定され、さらに積立金水準を決定することによって収入の総額が決まり、その額に応じてマクロ経済スライドの給付調整期間が決定されることとなる。

一方、地共済年金は支出の方が先に決まり、それに見合う収入を賄うこととしており、収入については、最終的な保険料率、保険料率の引き上げ幅、積立金の水準等いくつかのファクターによって決定されることとなるが、地共済では保険料率の引き上げ幅や積立金の水準をある程度整理し、最終的な保険料率を計算する予定である。

4) 今回、任期付短時間職員勤務職員制度が創設されるが、常勤職員のみを適用対象とするこれまでどおりの地共済法の考え方なのか。
← 共済年金制度は長期継続雇用の常勤職員を前提に制度設計がなされていることから、任期付短時間勤務職員については、地共済法の適用とならない。

5) 厚生年金は経済情勢に連動しやすいため、賃金は経済情勢に応じて変動すると考えるが、地共済は高齢化の影響と年功賃金の影響を非常に強く受けると考えられることから、財政再計算では、組合員数だけではなく、賃金の見込みも必要ではないか。保険料率を厚生年金と同程度にするぐらいでは見通しは厳しいのではないか。
← 厚生年金の収支見通しで使っている賃金上昇率を含めた経済前提を地共済年金の財政再計算でも使うこととなる。したがって、厚生年金も地共済年金も現在は一定の賃金カーブが前提となっており、仮に賃金カーブが変わると厚生年金の給付水準が変わり、その給付水準に合わせて地共済の給付水準も変わることとなり、結果として同じような動きとなるのではないかと考えている。

(6)前回の懇談会までにおける指摘事項等について

事務局から、長期経理から貸付経理への貸付金を原資としなければその年度の年金支払に支障を来すと見込まれる組合に対する貸付制度案について説明があった。

これについて、この制度の創設を積極的に評価するとの意見があった。

(7)地方公務員共済年金制度に関する懇談会について

座長代理から、地方公務員共済年金制度に関する懇談会については、今回をもって終了する旨の発言があり、併せて出席者に対する挨拶があった。

これに対し、懇談会の主催者である総務省の畠中自治行政局長から謝辞があった。

以上