第3回地方公務員共済年金制度に関する懇談会議事要旨

1 日時

平成15年12月8日(月) 午後3時00分~午後4時00分

2 場所

ルポール麹町2階 ルビーの間

3 出席者(五十音順、敬称略)

座長 高山 憲之 (一橋大学経済研究所教授)
座長代理 森 繁一 (地方公務員共済組合連合会理事長)
川村 仁弘 (立教大学教授)
君島 一宇 (全日本自治団体労働組合書記長)
木村 陽子 (地方財政審議会委員)
工藤 智規 (公立学校共済組合理事長)
駒村 康平 (東洋大学助教授)
関 昭夫 (警視庁厚生課長)
関口 祐弘 (警察共済組合理事長)
永瀬 伸子 (お茶の水女子大学助教授)
中村 譲 (日本教職員組合書記長)
山﨑 泰彦 (神奈川県立保健福祉大学教授)

4 議事概要

(1)開会

(2)年金制度改革に関する厚生労働省案について

厚生労働省から「年金制度改革に関する厚生労働省案」について、背景及び基本的考え方についての説明と、内容について、給付と負担の見直し、有限均衡方式、保険料水準固定方式とマクロ経済スライドによる給付の自動調整、在職老齢年金制度の見直し等、短時間勤務者への厚生年金の適用拡大、次世代育成支援の拡充及び女性と年金について説明があった。

これについて、大要次のような質問、意見が出された。
(←はそれに対する回答)

1) 国民年金保険料を、現行の1万3千3百円から1万7千円に引き上げるとあるが、1万7千円の根拠について。
← 保険料率を20%に固定した場合の給付水準を試算し、その結果得られた基礎年金の水準が賄えるような保険料として示している。

2) 平均余命について、2025年まで毎年0.3%分影響するような伸び方が示されているが、2025年でどのくらいになるのか。また、その後伸びるのか。
← 平均寿命の見通しについては別途資料を添付しているが、余命については、将来の見通しを平均して0.3という数字を置いている。

3) 基礎年金の税方式化の検討状況について。
← 制度体系論については、社会保障審議会等においても議論いただいたところであるが、今回は喫緊の課題である給付と負担の調整について現行制度体系のもとで安定化方策を講じることとしている。体系論については、引き続き議論していきたい。

4) 所得代替率50%とあるが、これに関して、ILOの102号条約との関連性の検討状況について。
← 今回の案を考えるにあたっては、ILO基準についても考え方から議論してきたところである。

5) 夫婦間の年金分割について、妻が専業主婦の場合では、夫が障害を負った場合の障害厚生年金は、現行の水準の2分の1になると考えていいのか。
← 夫、妻双方が65歳に達し、厚生年金の納付記録を分割した後に障害が発生した場合については、それぞれの分割後の記録に基づき障害厚生年金を計算することとなり、分割をする前に障害事由が発生した場合には分割前の記録に基づき障害厚生年金が発生することとなる。

6) 基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引上げについて、16年度に完全に引上げるという考え方と、段階的に5年かけて引上げるという考え方とがあるが、前回の改正で2分の1に引上げるとされているので、16年度で完全に引上げることが国民に対する責務だと思う。

7) 平成12年以降3年間凍結されている1.7%分のスライド率について、その財源の所要の措置について説明してほしい。
← 現在は、特例措置として、本来の水準よりも1.7%分高い水準の年金額が支給されているが、財政当局も含めて議論し、予算編成過程の中で結論を得たい。

8) 年金分割を3号被保険者だけに限るというのは、男女共同参画や労働供給といった面から見てもおかしいのではないか。

9) 厚生労働省は、この制度が、ベビーブーマーが65歳になる前の将来的に維持可能な最終的な案と心から思っているのか。
← できる限りの試算を行い、100年間を見通して案を示している。厚生労働省としては、年金制度を安定させたいという思いでこの案を示している。

10) 短時間雇用者の厚生年金加入というのは、働きに見合って負担し、また、給付を受けるということで前向きだと思うが、遺族年金の議論についてはどうなっているのか。
← 現行では、妻が遺族年金を受ける場合に、老齢基礎年金に夫の老齢厚生年金の4分の3を上乗せして受けるケースが多く、この場合には妻自身が働いて納付してきた保険料が年金受給に生かされないという指摘があり、今回はまず、妻の老齢厚生年金を先に満額支給することとした上で、差額があれば遺族厚生年金として給付するという仕組みにし、妻自身の保険料納付実績が実るよう見直しをしている。

11) 将来的には基礎年金と報酬比例年金とは、会計的に別にしないと制度としてもたないのではないか。

マクロ経済スライドなど、多くのシミュレーションが示されているが、制度がうまくいくかどうかは、政治的にどう動くかではないか。

12) 在職老齢年金制度の見直しについて、実際どの程度の就労促進効果があるのか、示してほしい。

また、夫婦片働き世帯と夫婦共働き世帯とで、世帯単位で同じ収入であった場合に、遺族年金については片働き世帯の方が有利となっており、納めた保険料が同じなのに遺族年金が違うのはおかしい。

13) 点数制については、手間暇かかり、お金もかかるということになるが、給付算定式に使わない点数の意味は何なのか。個人の加入者が知りたいのは本当に点数なのか、よく考えてほしい。

(3)前回の懇談会までにおける指摘事項等について

事務局から、前回の懇談会までに指摘のあった「国共済と地共済の長期給付に係る財政単位の一元化について(たたき台)」に基づいたシミュレーション、厚生年金がマクロ経済スライドをした場合の地共済の保険料率についてのシミュレーション、給付水準を維持した場合のシミュレーション、地共済法の適用される職員の範囲について、長期給付事業に関する指定都市職員共済組合の意見及び年金受給見込額等の情報提供の状況に関する調査結果について説明があった。

これについて、大要次のような質問、意見が出された。
(←はそれに対する回答)

1) 地共済制度は、非常勤職員には適用しないということだが、地方公共団体の非常勤職員についても守秘義務や労働基本権の制約が課せられており、そういう点で整合性をもつのか。
← 職域年金部分について、公務員期間が長いほど少し給付の率が高くなるという構造になっており、基本的には任期の定めのない長期雇用職員がインセンティブを持って仕事ができるようにという意味合いが強く出ている面もあり、公務員制度全体の中で考えなければならないもの。

2) 自治体での厚生年金の適用もれが過去にあり、現場の指導をすべきではないか。
← 平成7年度に新聞などに取り上げられ、国会でも質問を受けたもの。今後そういうことがないように周知徹底していきたい。

3) 今後、地共済においても厚生年金と同様に支え手の減少があり得るかもしれないので、短時間労働者の地共済の適用については考える必要があるのではないか。

(4)地方公務員共済年金制度改正に当たっての論点について

事務局から、「地方公務員共済年金制度改正に当たっての論点(素案)」について、厚生労働省案が制度化された場合の地共済の対応について説明があった。

これについて、大要次のような質問、意見が出された。
(←はそれに対する回答)

1) 厚生年金との制度的な相違については、社会的納得を得られる理論構成と、それに向けての努力をお願いする。

2) なぜ短時間勤務者に地共済の適用を認めないのか。
← 公務員制度のあり方が変わってくると、議論の仕方も変わる場合もあるかもしれないが、当面地方公務員の基幹的な職員は、任期の定めのない長期継続雇用の職員ではないかという議論がなされており、現状では公務員制度全体を大きく変革するということにはなっていない。また地共済の適用を受けない短時間勤務者は、厚生年金の適用を受ける場合もあり、民間の方と差があるわけではないから、ご理解頂きたい。

3) 職域加算を持ちながら、厚生年金よりも低い水準の保険料率を維持するというのは世間が納得するのか。
← 厚生年金に比べ、地共済の所得代替率が低いことが保険料率が低く抑えられる一つの原因ではないか。また、昭和40年代の末ぐらいまでは、厚生年金よりも高い保険料率になっていたが、当時の現役世代の努力も財政的には効果として現れているのではないか。

(5)次回日程について

地方公務員等共済組合法の改正案がまとまった頃に、開催日程を調整することとされた。