第1回地方公務員共済年金制度に関する懇談会議事要旨

1 日時

平成15年5月27日(火)午前10時30分~午後12時40分

2 場所

地方公務員共済組合連合会特別会議室

3 出席者(五十音順、敬称略)

座長 高山 憲之 (一橋大学経済研究所教授)
座長代理 森 繁一 (地方公務員共済組合連合会理事長)
川村 仁弘 (立教大学教授)
君島 一宇 (全日本自治団体労働組合書記長)
駒村 康平 (東洋大学助教授)
関口 祐弘 (警察共済組合理事長)
永瀬 伸子 (お茶の水女子大学助教授)
中村 譲 (日本教職員組合書記長)
菱村 幸彦 (公立学校共済組合理事長)
町田 信一 (警視庁厚生課長)
山﨑 泰彦 (神奈川県立保健福祉大学教授)
渡辺 俊介 (日本経済新聞社論説委員)

4 議事概要

(1)森公務員部長あいさつ

(2)座長、座長代理選出

構成員の互選により高山憲之氏が座長に選出され、座長の指名により森繁一氏が座長代理に指名された。

(3)懇談会の概要、スケジュール等について

懇談会開催の趣旨については、社会保障審議会年金部会等で、来年の年金制度改革への検討が行われていることを踏まえて、関係者及び学識経験者が、地方公務員共済組合制度全体についての基本的な政策について幅広く議論する場として、総務省の自治行政局長が開催するものである。

懇談会は、必要がある時に関係者の出席を求め、意見の聴取等を行うこととする。また、検討事項によっては関係行政機関等からの説明を求めることとする。

議事の内容については、議事概要を作成し、総務省のホームページにおいて公表することとする。

スケジュールについては、年金改革の動向等を踏まえながら開催時期を設定することとし、16年1月までの間におおむね4回程度の開催予定とされた。

(4)年金改革の骨格に関する方向性と論点について

厚生労働省から「年金改革の骨格に関する方向性と論点について」について、基本的な視点及び課題についての説明と、内容について、保険料固定方式、給付の自動調整、ポイント制、短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び第3号被保険者制度の見直し等の説明があった。

これについて、大要次のような質問、意見が出された。
(←はそれに対する回答)

1) 保険料固定方式は、既裁定者の給付の抑制として機能するが、その影響が出るまでの間に、現役世代の負担の方が大きくなるのではないか。この方式の持つ問題点をシビアに明らかにする必要性があるのではないか。
← この案については、今後保険料がどこまで上がるのかという現役世代の不安に答えるため、上限を設定することとし、ヨーロッパ主要国を参考にして、 20%として試算した。ただし、あくまでたたき台として示したものなので、今後、給付と負担のあり方について、国民的にご議論いただきたいと考えている。(厚生労働省)

2) 保険料固定方式をとった場合、公務員共済の職域部分への影響について、一定のシミュレーション結果を資料として出してもらいたい。
← 総務省としても、仮に固定保険料をとった場合の地共済年金の給付水準を把握する必要があると認識しているので、何らかの機会にご期待に沿えるよう努力したい。(事務局)

3) 保険料固定方式について、2032年以降には給付水準が52%で安定するということだが、その時点で高齢化が進展しても、この水準が確保できるという見通しなのか。
← 2032年以降52%という数字は、人口推移の中位推計に立った上で、その他経済成長率や実質賃金上昇率及び運用利回りについても一定の仮定を置いて、保険料率を20%に固定した場合で計算した代表的な試算例である。(厚生労働省)

4) ポイント制の単価とマクロ経済スライドの関係はどう理解すればいいのか。
← 単価はマクロ経済スライドによる調整を踏まえて変わっていくことになる。(厚生労働省)

(5)国共済と地共済の長期給付に係る財政単位の一元化及び市町村の共済組合の長期給付事業の再編成について

総務省から国共済と地共済の長期給付に係る財政単位の一元化について、全国市町村職員共済組合連合会から市町村の共済組合の長期給付事業の再編成について説明があった。

これらについて大要次のような質問、意見が出された。
(←はそれに対する回答)

1) 財政調整による資金の交付・拠出において、当面ではなく、永続的に偏りが生じることになれば、組合員への説明が難しくなるのではないか。
← 超長期的な見通しを立てると色々と議論があるが、今後、組合員の方のご理解をいただけるような形で考え方を整理しておきたいということで調整を進めている。(事務局)

2) 現在の地共済内部の財政調整の仕組みを変更することとなれば、かなり大きな問題となるのではないか。
← 地共済への説明においては、現在の地共済内部の財政調整の仕組みは変更しないという方向で説明している。(事務局)

3) 公務員の共済年金制度が今後も厚生年金制度準拠でいいのだろうか。例えば、厚生労働省のたたき台で年金制度の体系に関する各方面での議論の一つとして示された、公的年金は基礎年金のみとし、報酬比例部分は民営化するという考え方は、公務員制度の一環としての共済年金制度には馴染まないのではないか。

厚生年金については、保険料固定方式、自動調整(マクロ経済スライド)といった考え方が有力となっているが、マクロ経済スライドが、公務員共済年金制度において、厚生年金と同じように解釈できるだろうか。厚生年金準拠といった考え方に対しては慎重であるべきだ。

マクロ経済スライドは地共済年金制度において、厚生年金とどういう違った影響が出るかといった検証が必要ではないか。

4) 財政調整については、地共済から国共済へ相当な支援がなされることとなるが、これが原因となって、掛金が増すとか、年金給付が削減されることのないようにしてもらいたい。
← 一元化に伴う財政調整の財源や両共済の収支に起因して年金の給付水準を議論するということは、全く考えていない。(事務局)

5) 地共済内部の財政調整の現在の発動要件の問題と国共済との財政調整のための資金の問題をリンクさせて考えた場合、発動要件の見直しについて検討することが必要ではないか。

6) 公的年金制度への一元化への対応の問題で、公務員制度の一環としての共済年金制度ということだけで、これから先、本当に説得力を持つのか。もっと具体的な考え方を構築する必要があるのではないか。

7) 市町村の共済組合の長期給付事業の再編成については、未だ各単位共済組合において意見の違いがあると受け止めざるを得ないが、今後、全体の合意を得るということを前提にして進めてもらいたい。
← 基本方針で方向は決まっているが、具体の問題になると、各単位組合では変わることに対する不安はあるようだ。今後、どのように説明、調整し、ご理解いただくかということが大きな課題であると認識している。(市町村連合会)

8) 今回の年金改革においては、短時間雇用者の年金加入が議題の一つとして挙がっているが、地共済においてはどのように考えているのか。
← 常勤以外の地方公務員については、1日8時間以上の勤務を18日以上した月が引き続き12月を超えた月から共済組合に加入することとなっており、現行においても厚生年金との間に制度の違いがある。この問題については、厚生年金制度の方で議論されていることは承知しており、今後、この懇談会でご議論いただく材料になるかと考えている。(事務局)

(6)次回日程について

厚生労働省における年金制度改革の検討状況等を踏まえながら、秋口を目途に開催することとされた。